金曜日夕方、渋谷センター街のプリントシール機(プリ機)専門店内では、制服を着た女子高校生や若いカップルが、どの機種で撮ろうかと歩き回っていた。

周五傍晚在涩谷中心街的大头贴店内,穿着制服的女高中生和年轻的情侣徘徊着犹豫该用哪台机器来拍大头贴。

人気機種の待機列では女子高生2人が笑い合いながらスマートフォンで自撮りをしている。

在人气火爆的机器前,排队等待的两名女高中生正笑着用手机自拍。

最新のプリ機はさまざまな機能が追加され、進化しているのをご存じだろうか。

你知道最新的大头贴机器增加了许多新功能、正不断进化吗?

シール紙が半透明になっている機種、撮影スペースが広く大人数で撮れる機種、ハングルのスタンプが搭載されK-POPのBGMが流れる機種など、20台近くが所狭しと並んでいた。

近20台机器紧凑地摆放在一起。有的机种的相纸升级为半透明的,有的机种的拍摄空间扩大可容纳多人拍摄,有的机种播着K-POP的背景音乐,还有韩文的贴图可以选择。

「プリクラ」ブーム全盛期が去った今

“大头贴”全盛期已经过去的如今

約20年前、平成初期に流行した「プリクラ」。その原点は、1995年にアトラスが発売した「プリント倶楽部」だ。

“大头贴”在20多年前的平成初期很是流行。1995年ATLUS公司开发的“大头贴俱乐部”正是其原点。

SMAP(当時)が出演する番組「愛ラブSMAP!」で取り上げられたのをきっかけに「プリント倶楽部」は一大ブームとなり、業界内外から多数のメーカーが市場に参入した。日本アミューズメント産業協会の「プリントシール機20年史」によると、1997年にはゲームセンターにおけるプリ機の年間売上高は1000億円を超えた。

SMAP在当时主持的综艺节目《愛ラブSMAP!》中介绍了“大头贴俱乐部”,使其迅速走红,业界内外许多厂商纷纷进入市场。 根据日本娱乐产业协会发布的《大头贴机器20年历史》,1997年电玩中心里大头贴机器的年销售额超过了1000亿日元。

翌年以降、ブームが急速に落ち着き、売上高が半分以下の約400億円にまでしぼんだ。そこで、業界各社は落書き機能の拡充や「写り」の追求に加え、カメラを可動式にするなどあの手この手で顧客に訴求。2002年には売上高が600億円規模まで回復し、「プリントシール機」の時代となった。

第二年这股热潮很快褪去,销售额大幅下降到约400亿日元。为此,业界各家公司通过扩充涂鸦功能、优化拍摄效果之外,使摄像头变为可动式,用各种方法来吸引顾客。到2002年,销售额恢复到600亿日元,进入“大头贴”的时代。

それでも、ゲームセンターの減少、スマホの登場を受けて利用者の減少には歯止めがかからなかった。足元のプリントシール機市場は縮小している。

尽管如此,随着电玩中心的减少和智能手机的出现,大头贴的消费者也逐渐减少。大头贴机器的市场规模正在缩小。

年間売上高は、2007年の約307億円から10年後の2017年には約220億円まで落ち込んでいる。

十年间,年销售额从2007年的307亿日元左右降到2017年的220亿左右。

この20年で18歳人口が3割近く減少する少子化の逆風もあり、各メーカーはプリ機業界から撤退している。「プリクラ」生みの親のアトラスは2009年にゲーム事業から撤退し、2018年10月には、ヒットを生み出してきた大手メーカーのメイクソフトウェアも倒産。プリ機市場は約9割のシェアを握るフリュー1強となっている。

近二十年,日本18岁人口减少了近3成,少子化也对大头贴市场产生不好的影响,各厂商纷纷退出大头贴机器市场。可谓“大头贴”鼻祖的ATLUS公司于2009年砍掉了游戏业务,2018年10月制造出许多热门大头贴机器的大型产商Make Software 宣布破产。Furyu占据了大头贴机器市场近9成的份额,形成一家独大的局面。

フリューは、プリ機や消耗品のシール紙のほか、ゲームセンター向けにクレーンゲーム用の景品などを開発・販売している会社だ。

Furyu公司兴起于1998年,除了大头贴机和消耗品的相纸生产,还开发并出售电玩中心里娃娃机里的奖品礼物。

フリューがプリ機市場を牽引する存在となった要因は、技術力だ。

Furyu之所以能成为大头贴机器行业龙头就在于它的技术创新。

2007年、「目ヂカラ」アップが特徴の「美人―プレミアム―」という機種を発売。この機種から、縦方向だけでなく横方向にも目を拡大する機能を導入した。

2007年,Furyu发售了凸显眼睛魅力的“美女premium”大头贴机型,该机型不仅能纵向放大眼睛的,还新增横向放大眼睛的功能。

これを機に、各メーカーがしのぎを削った「デカ目」競争が激化。果ては、目があまりにも拡大されたプリ画像は「宇宙人」とも称された。

以此为契机,各厂商围绕着“大眼睛”展开了激烈竞争。最后,这种太过放大眼睛的大头贴也被称为“外星人”。

2011年、フリューは目だけでなく肌など全体を加工することで自然に見せる「LADY BY TOKYO」という機種を発売、業界全体の流れを変えた。

2011年,Furyu开发了不光是眼睛可以调节整体肌肤达到自然美肌效果的“LADY BY TOKYO”机型,进而改变了整个行业发展趋势。

新機種の大ヒットを受け、6割超のシェアを獲得したフリューの商品開発力に他社が追いつけなくなった。その後、プリ機で撮った写真を携帯電話に保存できるサイトの有料会員を中心にユーザーを拡大し、現在まで成長を続けている。

新机型获得的巨大成功为Furyu带来了超过6成的市场份额,其他公司的开发能力已经无法赶超Furyu。此后,Furyu以付费网站会员为中心扩大了用户群体,付费会员可以将大头贴机上拍摄的照片传送到手机里,如今Furyu会员数量仍在增长。

自撮りとは異なる価値を彼女たちは求めている

大头贴对于女性消费者们有着与自拍不同的价值

スマホのカメラや加工アプリが普及しているにもかかわらず、今の女子高生がプリを撮り、画像保存サイトに課金もするのはなぜだろうか。

在智能手机和美颜相机APP已经普及的今天,为什么女高中生还会去拍摄大头贴甚至在付费网站上进行保存呢?

フリューは画像保存サイト「PiCTLINK(ピクトリンク)」を運営。月額300円(税抜)から500円の有料会員数は2019年3月時点で約164万人に達している。

Furyu是相片存储网站“PiCTLINK”的运营商。截止到2019年3月,每月300日元(不含税)至500日元的付费会员数已达到约164万人。

スマホでは日常の何気ない思い出を撮り、イベントや記念など特別なときにはプリを撮るという使い分けがされているという。

手机自拍是记录日常点滴,而特殊的活动和需要留念的瞬间则要用大头贴记录下来。

シールそのものよりも、友人や恋人、家族で「プリを撮る」というイベントが楽しまれているのだ。

比起贴纸照片本身,消费者更享受与朋友、恋人和家人“拍摄大头贴”的过程。

さらに、画像保存サイトを通じてダウンロードしたシール画像をスマホのアプリで再度加工してSNSに投稿するやり方も広まっている。1回400円を払えば照明や高機能のカメラ、加工機能で簡単に「かわいい」を作れるプリは、女子高生たちにとってはベースメイクのような存在とも言える。

在保存大头贴的网站上下载照片再通过APP二次美颜上传到社交媒体,这种做法也开始流行。每次只需支付400日元就能运用照明、高性能相机、美颜功能简单地打造出“可爱”的大头贴,对于女高中生来说拍大头贴就如同底妆一样是日常生活的一部分。

しかし、プリ文化の主役である高校生人口の減少に対する危機感は大きい。プリ文化の存続を実質的にフリュー1社が担うことになった。

但是,大头贴的主要消费人群高中生人数的减少对于Furyu公司来说是巨大的危机。实质上,Furyu公司的存亡已然成了大头贴文化存续的象征。

プリを撮る文化は今後どうなるか

大头贴文化今后会何去何从

ユーザー層拡大には、プリから卒業した20代以上の女性がターゲットになる。

要扩大用户层,就要以已经不在拍摄大头贴、20岁以上的女性为目标用户。

6月から投入している新機種の「AROUND20」。巨大スクリーンが特徴。操作性やデザインをシンプルで大人っぽくすることで、20代がプリを撮るのにハードルを下げる意図がある。

从6月开始投放的新机型「AROUND20」。外部巨大的屏幕是其特点。操作性和设计上都十分简单而成熟,就是为了降低20代拍摄大头贴时内心的障碍。

最新のトレンドを追い続ける女子高生たちから生み出される新たな遊び方に応えつつ、年齢層拡大を模索するフリューに「プリを撮る文化」の存続がかかっている。

一边迎合追赶潮流的女高中生不断推出新玩法,一边摸索着扩大用户年龄层的方法,Furyu在延续大头贴文化的道路上负重前行。

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